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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 59

「いやぁ、それは、ありがとう…」
 そのうちにチャイムが鳴ってみな席に着いた。
 何か、僕が会長になることが一歩一歩近づいてきているようで、こわい…

 昼休み。僕は食事を早めに終え、麻生一樹君に会いに一年生の教室に向かった。

1年4組。
廊下の窓から教室の様子をうかがう。
いくつかのグループができて談笑している。雰囲気は結構よさそう…なのだけど、肝心の麻生くんの姿が見えない。

「先輩、どうしたんですかっ」
「あっ」
後ろから不意に声をかけられた。1年に知った子なんて、と思ったが、振り返ると納得。昨日の今日で、再び栃原佐奈ちゃんである。

「あぁ佐奈ちゃんか…佐奈ちゃんってこのクラス?」
「はい!」
「麻生くんって…」
「麻生くんですねぇ。毎日お昼休みにトレーニングって言って、校内をランニングしてるんですよぉ」

 「へえ、昼休みにランニングとはすごいな」
 ランニングということは、着替えて行ってるんだろうな。
「麻生君、更衣室使ってるか分かる?」
「はい、うちのクラスは全員使ってるはずです」
 去年は、共学化一年目で男子更衣室はなく、男子はみな教室で着替えていた。その後僕たちが働きかけて、掃除して、男子更衣室ができた。それでも全男子が使うには少し足りないので希望者は使えるようになっている。
 じゃあ、更衣室の前で待ってみるか、
 でも、それだと、ちょっとストーカーっぽいかな…

「私も一緒にいきましょうか」
佐奈ちゃんが言う。

「あぁ…同じクラスの子がいた方が頼もしいかも…佐奈ちゃん、麻生くんとはよく話すの?」
「はい」
うん、これは頼もしい。偶然とはいえ彼女を紹介してくれた姫さんに感謝しないと。

 僕と佐奈ちゃんは男子更衣室の前へと移動した。
 男子更衣室はそのフロアの奥にあり、男子更衣室に用事がある人以外には人通りはない。
 昼休み終わりにはまだ時間はある。つまり、一樹君が来るにはまだ間がある。僕は場をつなごうと、思い切って、もしかしたらセクハラとか言われかねないことを言った。
 「ええと、あの、藤原君とは、仲良くやってる感じ?」
 佐奈ちゃんは、一歩僕に近づき、小声で言った。
 「そうなんです、実は、きのう先輩と姫さんに会ってから、その晩に藤原君に初めて部屋に来てもらったんですぅ」
 佐奈ちゃんは幸せそうな笑顔で続けた。
 「息苦しい高校でなくって、ほんっと、よかったです!」

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