PiPi's World 投稿小説

生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 55
 57
の最後へ

生徒会日和~Second Season~ 57

 その言葉通りに佐奈ちゃんは僕に一歩近づき、言った。
「壇上にいた先輩に、こんなに近くで会えるなんて思わなかったです」
「いや、別にそんな遠い人のつもりではないんだけど…」
「決戦投票、応援してますよ」

「ああ…ありがとう」
もし当選したら、って不安もあるんだけど、こうして笑顔で、こんな美少女に応援してます、なんて言われたら男としてはやる気が出ないことなんてない。

「じゃあねー」
姫さんと佐奈ちゃんと別れ、寮を後にした。

 改めて校門へ向かって歩いていると、スマホが振動した。澪さんからだ。
 「愛美が、校内の掲示物許可権を一時的に選管委員に貸してほしい、と言ってるんだけど、どう?」
 「はい、ルールさえ守ってくれれば」

 校内の掲示物は、生徒会本部が許可権を持っているのだけど、今は僕ひとりしか許可を出せる人がいなかった。
 掲示物なんてそんなには無かったからあまり気にしてなかったのだが…

 翌朝。
 いつの間にこんなに貼ったのだろう?
 梓さんの名前が入ったポスターと、僕の名前が入ったポスター。さすがに写真はないものの、名前をアピールするのには十分だった。
 七対三くらいで梓さんの名前が多い…でも、どっちも、誰が貼っているのだろう??


「おはよう、穂積くん」
ポスターが貼ってある壁の前に立っていると、背後から声をかけられた。船町さんだった。

「おはよう船町さん……なんかすごいことになってる気がするんだけど…」
「愛美センパイ、こういう時は行動早くてねー、使い回しだけどポスター刷って昨日の夕方と今朝で校内に貼って!ってね」

 僕はポスターの方に近づいた。
 「この公式っぽいのが、選管で貼ったやつ」
 「うん」
 選管なんだから、僕も梓さんも同じ数だけ書いてあるはず。
 「で、こっちの公式っぽくないやつは、誰が?」
 「愛美センパイ、春日井先輩とか使って、応援してそうな人に呼びかけてポスターを貼らせたんだ。『その方が盛り上がりそう』って」
 船町さん、ちょっと小声になって
 「きのうはけっこう夕方遅くまで許可印押しやってたよ」
 と、ポスターの右下の印を指しながら言った。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す