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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 46

 その時、紙が置かれる音がした。
「…ええ、すいません、開票結果ではなくて。選管は、念の為票の数え直しを行っている、ということです」
「やはり僅かな差だったみたいだね。ほんとうの選挙でも、そういう場合は再確認することもある」
「そうなんですか。あの、春日井さん、もし、同じ得票で第一位が二人いたら、どうなるんですか?」
「選管委員長に聞いたところでは、規則にはないが、ほんとうの選挙を参考にくじ引きになる、ということだった」

「ただ、そんなような事態は今までにはなかった」
「学校の歴史に残るような激戦になりそうですね」
傍観者としてなら面白いことかもしれない。しかし今は僕自身がその当事者なのだ。余裕なんてない。

また慌ただしく原稿が行き来してる様子だ。

「選管が上位2人の決戦投票を提案しているらしい」

 「決戦投票ってあるんですね」
 「実は、桜樹台の選挙はあまり細かい規則がなくて、今までもそれでなんとかなってきた…決戦投票をやったことがあったかどうかは確認しないとわからないけど、知ってる中では、なかった…」
 「あ、今、選管委員長が、放送で直接話したいと、来ているようです。では、少しお待ちください」

 一瞬音声は途絶え、音楽が流れる。

 「…では、選管委員長、武並愛美さん、どうぞ」

 「みんなー、盛り上がってるぅ?」

すごく気の抜けるような、なんともノリの軽い声が響いた。
選管委員長の武並先輩。澪さんからは以前「喋らなければ最高の美人」なんて言われた人だ。

「まさか思いつきで提案したわけじゃないよね?」
「その方が面白いじゃない………ってのは半分ジョーダン。このままだとかなりの僅差なのよ」

 「第一位 穂積樹くん 138票 第二位 曽根梓さん 136票。この僅差で、しかもどっちも有効投票の過半数どころか三分の一に達していない。これは、決戦投票やったほうが絶対いい、と思って提案したのよ」
 「それは、まあ、理にかなっているとは、言えるかなあ」
 「そこで、選管委員長から、第一位穂積くんと、第二位、曽根さんに、決戦投票を提案することに、しました。穂積くん、曽根さん、今いるなら、決戦投票を受け入れるかどうか、表明に、放送室に来てくださぁい」

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