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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 28


「それが、いないみたいなの。さやか先生とも話をして今頃なら一緒に練習してるはずだったのにな…」
「機会があったら僕があたってみますけど…」
「うん、樹くんホントにごめんね、生徒会に、野球部のやりくりもあって忙しいのに。蟹ちゃん(女子剣道部の2年、蟹江亜里沙さん)も樹くんくらい顔が広ければいいのにね…」
「いえいえ、彼女は彼女ですから」

 “そういえば、亜里沙さんが剣道部に入ったのは途中からだったかな”とか去年のことをしばし思い出した。
 誉さんと、奥の方で練習していた伶奈さんに挨拶して剣道部をあとにして野球部に向かう。

「いよう、来てやったぞ」
 長良祐一郎が、バットを振り回していた。
やる気十分。強打者の風格が漂っている。

「祐くん、野球の経験はあるのかい」
「愚問だな心の友よ。これでも最終兵器と呼ばれた男だ」
…それは期待して大丈夫なのか?まあ運動能力の高い脳筋男子ではあるが。

「これも人助けだ。俺たちでなんとかならなくても野球部の今後のタシになればいいんだ」

 「穂積、ありがとうな。何人も呼んでくれて」
 田原に礼を言われる。
 グラウンドには、僕が声を掛けたうちの二人がすでに来ていた。
 「いやあ、来てくれてよかった」
 「ついでにお前も来ないか?」
 「いや、こんな格好だし」
 僕は今制服姿だ。
 「じゃあ、こんな格好じゃないときなら、来てくれるか?」
 僕は一瞬、なんと応えていいか分からなかった。野球はずいぶん遠ざかっていたのであまり自信がなかった。それなのに、なんで服装のせいにするようなことを僕は言ってしまったのだろうか?心の中で、また野球やりたい気持ちがあるのだろうか…


確かにあの時、野球をやり続けるという選択肢もあった。
心のどこかにいまだに燻っていたのかもしれない。

スカウトして参加してくれた人も含めて、練習が始まった。
時々、元気のいい声も上がる。
こんなに活気のある野球部、学校始まって以来なのではないだろうか。

「穂積の分もユニフォーム作って待ってるぞ」
「あ、ああ」

田原に最後にそう言われ、僕はその場を後にした。

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