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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 23

 「それで?」
 「高校でも野球とか、考えなかった?」
 「うん、中学で結構キツかった。ここも、ここなら男子の運動部はまだないだろうって思って、っていう理由もあって来たんだ」
 「そうなんだ」
 「なんか、うちの野球部、一回戦で行徳と当たるんだって?」
 そういうことをチェックしているということは、彼も興味ないわけではないような気がする。

「行徳は強いよな、甲子園でも優勝するんじゃないかって言われるくらいで。しかも僕らと同じ学年で化け物みたいな選手が何人もいるって」
「まあ、負けるのは仕方ないにしてもちゃんとした試合はしたいからさ」
「力になれるかはわからないけど、サポートはできるよ」
「そうしてくれるとありがたいな」

 今の会話は一時間目と二時間目の間の休み時間だった。
 二時間目、僕は一度授業を抜けて新入生オリエンテーションに、生徒会を代表しての挨拶と選挙制度説明に行く。
 あのあと、澪さんには「有力候補」を書いた新聞を配って説明してもらえるよう頼んでおいた。
 
「皆さんがこの人がいい、この人なら任せられると思う人を選んでください。最も票数の多かった人が生徒会長に就任します」

…という説明がどれだけ伝わるだろう。ちょっと不安に思いながら澪さんが作った有力候補一覧を見てみる。
梓さん、早紀さん、茜さん、葵さん、アリス…今回は僕は省いてもらったが、どうなるだろう。

 僕は体育館の舞台裏で待機する。
 生徒会を代表しての新入生歓迎の挨拶、そして選挙制度説明。
 早紀さんから「一年間学校生活を送ってどうだったか、と切り口にしたら」とアドバイス頂いている。それをもとに昨晩までにまとめてあった。
 緊張する。隣で待機する澪さんは余裕そうな表情に見えた。

 やがて僕の番が回ってくる。僕は壇上に立った。
 昨年度よりやや男子比率は増えたとはいえ、まだまだ女子がはるかに多い。そんな風景が目の前に広がった。
 僕はわからないように一度深呼吸した。

「ええ、ご紹介に預かりました、桜樹台高校生徒会 暫定会長の穂積樹です。みなさん、ようこそ、桜樹台へ!期待と不安で胸いっぱいと思います…私も、去年の今頃、そうでした。そんななか、突然放送で呼ばれて、生徒会役員になるように、言われたのです…」

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