生徒会日和~Second Season~ 20
「うん…それで?」
「速い球をどう打ち返すとか、相手のバッターに合わせた守備シフトの組み方とか、MLB流にやって少しでもいい試合できるようにしようってね」
「そんなことできるの?」
「彼女からデータもらえばね。今でもやり取りしてるから…頼めばすぐに、英語は私が翻訳するわよ」
「へえぇ、それは、すごい頼もしい…でも、それって、相手のデータとかかなり細かく伝えないとならないんじゃないか」
「その辺は、みなみちゃんに手伝ってもらおうと思っている」
「長山みなみ?」
「そう」
長山みなみ…野球部のマネージャー
茜さんや野球部キャプテンの田原と同じクラスの子。
それと、僕とは中学から一緒で、誰にでも気さくに話しかけてくれる本当にいい子、という印象だ。
「野球部を強くしたい思いの一番強い子だからね」
「ああ、すごくわかる」
「4番の水瀬ってヤツを打ち取ることができれば自慢になるわよ。アイツは絶対超一流の選手になれるはずだから」
「そうそう、水瀬って結構話題になってたよね…でも、うちみたいな野球部できたばっかりの高校の試合に出てきてくれるかなあ」
「そこは、出たくなるような、出したくなるような、噂とか流す…ここは樹の出番かなあ。生徒会ネットワークで他校との交流結構あるんじゃない?」
「いや、そんなことはやってないし他校も文化祭にちょっと行った程度だからね…僕にあまり期待しないでほしいかな…」
「樹だって野球やってたんでしょ?田原はかなりのモノを持ってる奴だったって樹のこと言ってたし、長良も味方につけたら結構面白いと思うわ」
「そうかな…」
アリスはこの状況をかなり楽しんでる感じ。
僕としては大変なんだけどな…