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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 17

 「お願い…」
 朝日さんは両手を合わせる仕草をした。こうまで頼まれたら仕方ない。
 「うん…じゃあ、行こう」
 「ヤッタ!どこ行こうか?」

 そう問われて僕は頭を回転させた。僕は、今までデートらしいデートって、どこ行っただろう??
 「ええと、朝日さん」
 「予行演習期間は、菜摘とか呼んで」
 「じゃ、あ、菜摘さん、どこか行きたいところある?」
 「私が行きたいのはね」

 行きたいところ、あるなら、彼氏に言えばいいのではないかと思うのだけど…
剣道をやってるその彼氏と、文化系の朝日…いや、菜摘さんとでは趣味嗜好に差があるのかもしれないだろうが…それを埋めるのも僕の役割となると重責だな。

「この前出来たショッピングモール。そこにオシャレなカフェもあってね…」
数日前に地元のニュースでやってたスポット。確かに男だけで行こうと思う場所ではない。

 トントン拍子でその予行演習は早速今週の土曜に行くことになった。茜さんと葵さんからは予行演習にあたってのいくつかの具体的な提案があったあと、菜摘さんと待ち合わせ時間を決めて、チャットアプリのIDを交換して、作戦会議は解散した。
 菜摘さんと一緒に教室に戻って席につき、あとで誤解を生まないように歩さんに「こういう理由で朝日菜摘さんと二人で出かける」というメッセージを送っておいた。
 歩さんからはすぐに「了解」を意味するスタンプが来た。

歩さん自身、菜摘さんのことはあの生徒会室での人生相談以来気にかけていたし、菜摘さんに彼氏ができたという報告をしたら祝福のメッセージも来ていた。
とりあえず土曜日の予行練習だ。


その日の授業後は剣道部同様、懸念材料だった野球部の練習を見に行くことにした。

剣道と同じく、昔やっていたことから野球部の話も頻繁に入ってくる。
昨年度、つまり男子が初めて入って部が発足した時の部員数は10人。やっと試合ができるだけの人数だった。
非公式の練習試合には梓さんやアリスらソフトボール部が助っ人として参加していたとか。

「よう、穂積じゃねえか…どうしたんだ?」
「たまには様子を見に来ようと思ってさ、1年生入ったのかとか」
「今年は8人だ」

野球部キャプテンの田原。1年の時は同じクラス。今年はお隣さん。少年野球の頃に対戦経験があったらしいが、僕は全く覚えていない。

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