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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 145

 「樹お兄さん、すごぉい!」
 美幸ちゃんが手をたたいてくれている。これも、既視感ある、昔を思い出す感覚だ。 
 「穂積君、いいじゃん」
 長山さんも笑顔で言う。

 そして次の一球…いい感触!
 ボールを、ヒットの範囲に飛ばすことができた。
心の中で「よし」と声が出る。
自分でもかなり手ごたえを感じた一打だ。
ただ、少し手が痺れる感触もあったけど。

その後何球か続けて前に飛ばすことができて、いったん休憩。

「なかなか様になって来てるね。もう1回140qにしてみようか」

奥の部屋にいる店主のおじさんが声をかけてきた。

 「はい」
 僕は短くそう言い、改めて位置に付く。
 再び、美幸ちゃんと長山さんの応援の声が聞こえる。
 次の140Kmの一球が来るまで、やはりちょっと緊張する。
 そして、一球。
 これは、見送った。

さっきまでなら「これは無理だ」と思うくらい早く感じた球だったが、今見ると、感覚が何となく違う。
まったく手の出ない、手の出せないような球ではない。そう思えた。

「頑張れ!」

長山さんが大きな声で後押ししてくれる。

次の一球。
思い切り振り抜いた―自分ではそういうつもりだった―

バットがあまりいい音ではなかったが、ボールを弾き返して、前に飛んでいく。

 これは、ファウルだった。

 間をあまりおかず、次の球…見える…今度は、行ける…

 カン!

 「樹お兄さん、やった!」
 「穂積くん、もう…すごい、レベルだよ」

 その球は、何と、ホームランのエリアに、入っていったのだ。

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