生徒会日和~Second Season~ 135
疲れが押し寄せしばらく動けなくて、ものすごく長い間眠っていたような気がした。
「樹」
どこか遠くで歩さんの声がする。しまった、上からのしかかったままだったか。
「樹、お疲れだね。なんか寝顔が可愛かった」
「今、何時くらい?」
「三時近い」
「ええっ、僕そんなに寝ていたの?」
すごく、歩さんを一人にしてしまったようで、申し訳なくなって僕はもう一度歩さんを抱き締める。
「ううん、私も寝てたから」
歩さんはそう言って僕の腕をほどく。
「そろそろ服着た方がいいかな」
歩さんがそう言って笑う。
「確かにそうかも」
「でも、もう一回その前にシャワー浴びる?」
「いい?」
「その代わり、一人で。一緒に入ったらまたしたくなっちゃうからね」
「私も、それは思った」
歩さんはそのままの姿で一人で浴室のほうに向かった。
僕はティッシュを手にとって液を拭こうとした。しかし、もう乾いていて拭けなかった。
"これなら多少歩き回っても大丈夫だな"と、僕は立ち上がって一度部屋に戻った。
スマホを見た。特に、急ぎの用件は入っていなかった。
姉さんが急に帰ってくることはないだろう。
クローゼットを開けて服を取り出す。
歩さんにはもう一度身体を温めてもらおう。
着替え終わったころにスマホが鳴ったが、その相手は千沙さんで、決選投票直前の打ち合わせのお知らせだった。
別にそこまですることないのにとは思いながらも小坂井姉妹などともに力を入れてるところはある意味ありがたい。