生徒会日和~Second Season~ 131
浴室の入り口の曇りガラスの向こうから聞こえるシャワーの水音。機嫌良さそうな歩さんの鼻歌。ついさっきまでは2人で愛し合っていた場所。今なら想像しただけで股間が立ち上がってきそうな感じがした。
僕は少し離れた場所に移って歩さんが出てくるのを待った。
「樹、どうぞっ」
「ああ、ありがとう」
僕がシャワーを浴びて脱衣所に出てくると、歩さんは服を着ずに待っていた。
「服着ないで、お昼ごはんにしない?なんか、面白そうだから」
「え、あ、うん」
歩さんは僕の答えを聞き終えるとそのまま脱衣所から去った。
僕は、バスタオルで体を拭いたあと、提案どおりになにも身に着けずにすぐに脱衣所を出た。
まあしばらくは僕と歩さんの2人きりだからいいのだけど、あとは不意の来客がないことを…
「とりあえず今あるもので、簡単なものでよければ」
「うん、樹に任せる」
このままでキッチンに立つというのも何か不思議。そして同じ状態の歩さん。意識するとちょっと危ない。
とりあえず、袋のインスタントラーメンがある場所は分かっている、というか、メモで、お昼はこれを食べるといいと、母さんから指示されていた。
これに、冷蔵庫から野菜と卵を入れれば、それなりに格好がつくだろう。
僕はお湯を沸かし始める。
リビングは僕の部屋ほどではないが日当たりは良く、寒いということはない。だけど、せっかくだから暖かいものを食べよう。
「樹、何か手伝う事ある?」
「特には。歩さんはできるまで待っててください」
キッチンは少しひんやりする。