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生徒会日和~Second Season~
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和~Second Season~ 12

「会って話をしてみないとわからないかも。雰囲気は葵ちゃんの初対面の時みたいな風かなぁ」
葵さんも、もともとは引っ込み思案な子だと聞いたことはある。
それが漫研に入り浸ってなんかはっちゃけ……それは関係ないか。

「なんか色々不安だなぁ。樹くんには迷惑かけちゃうかも」
「そんな弱気にならないでください」

 そうこうしているうちに、下校したほうがいい時間になった。
 僕と早紀さんは途中まで一緒に帰った。
 「ねえ、もし、歩さんと会えなくて寂しい、なんてこと思ったら」
 「えっ」
 「遠慮なく言ってね。また、相手するから」
 「ええと、それは…」
 「深く考えないで、じゃあね」

早紀さんが軽く僕の背中を叩いて、そこからは別々の道で帰った。
家に帰ってからはいつも通りで、母さんと2人で晩御飯を食べ風呂を済ませた後スマホを確認すると歩さんからメッセージが着て。他愛もないやり取りをしている最中に早紀さんから別れ際に言われた言葉を思い出す。

「高校生と大学生の差、ってやつかな」

歩さんは楽しい大学生活を送っているようだ。それなら嬉しい、その気持ちにウソ偽りはない。
僕の一方的な思い込みでしかない……と思いたくもなる。

 会いたい、とメッセージを送ってみようかと思う。でも、大学生活を楽しんでる歩さんの邪魔になってしまうのではないか…会っても、高校生と大学生の差をますます思い知らされて余計に落ち込まないだろうか…
 いろいろなことを考えて、結局この夜のうちには会いたいとメッセージを送るのはやめた。


翌朝。
いつもの時間に目覚め、母さんが作ってくれた朝食を食べて身支度整えながら軽くニュースをチェックして登校する。

「おはよう、穂積くん」
「ああ、おはよう」

校門の手前で声をかけてきたのは朝日菜摘さん。
彼女もまた今年は同じクラス、1年生の序盤では悩みに押し潰されそうだったのが嘘のように元気な子になっている。

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