生徒会日和~Second Season~ 109
「そ、そう?」
「うん。会えないならなおさら」
姉さんの顔はちょっと微笑んでいた。なんか楽しそうなんだけど、なんでか聞いてみるのはちょっと怖い。
そのあと風呂を済ませ、部屋に戻ってから歩さんに軽くメッセージを送ってみた。
特に変わりはない、いたって普通のやり取り。
ただ、3日ぶりくらいだったかな…あんまり頻繁にやるのもどうかと思ってたんだけど、姉さんがああ言うなら…
それでも、歩さんの幸せそうなスタンプを受け取って僕も幸せな気持ちになった。
部屋のデスクに座って、明日校内を回るならどこに行くのがいいだろう、とか、明日はそろそろ野球部に顔を出したほうがいいかなあ、など、想いを巡らせる。
寝る前にまた歩さんからメッセージが来て、そのまましばらくやり取りをしたあとベッドに入り眠りにつく。
翌朝はちょっと薄暗いころに目が覚めた。
まだ少し肌寒さを感じる。
もう少し寝ていられるか、それでも二度寝したら…と考えたが、その前に部屋のドアが不意に開く。
「えっ?」
「樹兄さん、起きてたんだ」
美幸ちゃんが顔をのぞかせる。
「美幸ちゃん、どうしたの?」
「ちょっと、目が覚めちゃって」
僕もだんだん目が覚めてきた。パジャマ姿の美幸ちゃん。
“起きてたんだ”ってことは、僕が寝ている可能性が高いと思ってドアを開けたのだろうか?
僕はちょっとニャっとしながら聞いた。
いつもだったら母さんしかいないし、姉さんも僕の部屋に入ってくることなんてないから、鍵をかける習慣はない。
「もし僕が寝てたら何するつもりだったんだい?」
「それは…ひみつ」
ずっと昔、美幸ちゃんと一緒に寝た記憶はあるが、それはいつのことだったか。
「樹兄さん、彼女さんとは最近、やれてないんでしょ」