生徒会日和~Second Season~ 107
「あの家とウチもそう距離は変わらないから、ウチから学校に行ってもいいじゃない?」
「でも、制服とか…」
「今から洗えば明日の朝までには乾くんじゃないかな。天気は週末まで良い予報だし」
「はあ…」
姉さんと母さんから言われ、美幸ちゃんは考え込む。
「…うーん、じゃあ、お言葉に甘えさせて、頂きます」
美幸ちゃんはそう言って母さんに頭を下げた。
「じゃあ、美幸ちゃん、一緒にお風呂入る?久しぶりに」
姉さんが美幸ちゃんに少し顔を近づけて言う。
「えっ、久しぶりって、その前って、幼稚園生くらいのときだったような気がしますが…」
「ふふっ、いいじゃない。私もあと数日で戻らないといけないし、美幸ちゃんがウチに来るのだってそんなにないんだから」
「はあ…まあ」
美幸ちゃんが幼稚園児の頃…姉さんは小学校高学年くらいだったか?あの頃はまだ、優しく剣道を教えてくれてた頃だったな…
お風呂を入れるのは大体僕の役目なのでお風呂を入れ始め、準備ができてすぐに姉さんと美幸ちゃんが入っていく。
僕は何気なくリビングに戻った。
「ねえ、樹の彼女って、どんな子なの?」
母さんが突然聞く。母さん、四人のときは、話が重複してしまうのを遠慮したのか、そういうことは聞かなかったのだ。
「ええと…」
「顔とかはいいのよ、大事なのはもっと違うところだから」
僕がスマホで写真を見せようとすると、母さんはそう言って止めた。
「うん、春から大学生でね、去年までは生徒会で一緒だった人なんだ」
「あら、そういうつながりなのね」
「見た目も性格も先輩らしくはないんだけど、一緒にいると落ち着くっていうか…みんなからも愛される子だね」
「良かったわねぇ」