生徒会日和~Second Season~ 106
「盛り上がってるね」
母さんがご飯茶碗をお盆に載せて、一度置いて、改めておかずの皿を持って入ってきた。
「樹の彼女のことで」
姉さんはご飯茶碗を配りながら言う。
「母さん、樹が彼女できたって知ってた?」
「あらそうなの?全然知らなかったわ」
「そりゃ、母さんには何も話してなかったからね…」
「ふふっ、でもおめでたい事じゃない」
「美幸ちゃんにも彼氏ができたって話よ」
続けて姉さんがバラす。
「まあ、みんな幸せそうなのはそのせいだったのね」
ちょっと照れた顔をする美幸ちゃん。
「みんな、幸せになっていって、よかった」
母さんは笑顔でそう言って座った。
「私は、そうじゃないけど…」
姉さんが多少冗談めかして言う。
「渚は、仕事充実して、幸せでしょ」
「まあ、そうだけど…」
「焦る必要はないわよ」
母さんが姉さんに言った。
「私だってすぐにいい出会いがあったわけじゃないし、お父さんといい関係になったのは社会人になってからだった」
母さんが向こうの襖を見ながら言う。
あの部屋には仏壇がある。
「とりあえず、みんないっぱい食べなさい」
いつ以来かの4人の夕食を楽しんだ。
そうして、食べ終わってまたしばらく四人で話していた。
「あ、けっこう遅くなっちゃった…そろそろ帰らないと。お邪魔しました」
美幸ちゃんが立ち上がる。
「もう遅いから、泊まっていったら」
「あ、でも明日もあるし」