生徒会日和~Second Season~ 105
「何話してたの?」
姉さんが鍋を持って入ってきた。
「樹お兄ちゃんの彼女の話」
「え!彼女できたの?!」
「あ、言っちゃだめだったのかな?」
「いや、別に、隠してるわけじゃなくて、まだ話してない、ってだけで…」
「ほおぉう」
姉さんがにやける。とても逃げ切れるような状況ではない。だができれば何も言いたくない。
……いや、姉さんって今までこんな顔したことあったっけか。いつもブスッとしてる、というか、僕のことには興味なさそうだったあの頃しか覚えてないから…
「樹にも彼女かぁ。先を越されたわぁ。樹には勝てると思ったんだけどなぁ」
「別に勝負なんてしてないけどな」
姉さんがさらに近づく。
「ねえ、どんな子なの?」
「別にいいだろ」
「美幸ちゃんは、聞いた?」
「この子だって」
美幸ちゃんはさっきのスマホの画像を姉さんに示した。
「わあ、かわいい!」
歩さんたちが映った画像を見て姉さんがまたニヤつく。
「可愛い彼女だわ。樹って昔からこういうタイプ好きそうだったし年下からモテそうな子だったからねぇ」
「姉さん、この人、僕の2つ上だからね…?」
「えっ、うっそ、マジ?………うん、まあわかるわ。だいたい学年に1人は見た目幼く見える子っているよね、うん」
「私も初対面の時は、この子と樹お兄ちゃんが同い年だと思ってた」
「うん……なんか羨ましいくらい童顔っていうか、それでこのスタイル?樹、あんたやるじゃない」
「へへ……」
ちょっと恥ずかしくて、僕は思わず右手で頬を掻いた。
歩さんの胸は、彼女が小柄なだけに気付くと意外と目につく。
それに、姉さんは歩さんの事を、年齢重ねても若く見られそうだと思ったのかもしれない。
彼女を褒められて、僕も素直に嬉しい。