特進クラスの日常と事情 7
「しばらく、イクのは、我慢するんだよ」
そう言いながら、カンナはそれを動かす速度を上げていく。
「はい…あぁっ…こんな刺激、初めてです…」
敦司は、3分、という目安をどこかで聞いたことがあった。彼は心の中で、180までを数えた後、発射した。
「貫通式って便利ね、カリに引っかかって抜けないし」
「あの、取ってくれないんですか?」
「まだ終わりじゃないよ。多い日も安心のスキンだし。壁に手をついて」
「え?」
カンナは薄手の透明な手袋をはめると、粘度の高いローションを指先に塗り、敦司のアナルに中指を挿入させる。
「く…ああっ」
「見て、みるみる回復した。今度は我慢しなくていいよ」
「はひっ…」
敦司は本来出すための器官で指の小刻みな動きに、オナホが動かされていないのにこみ上げる快感に性器を反応させる。
「はい、このまま二本目いくよ。ここでしょ?」
「ああっ、そんな…なんか、変な感じ…」
「前立腺よ、強烈でしょ?」
「オナホでも…して」
「だーめ、こっちだけでイクの」
「あ!ああああっ…ああん…」
「すっごく感じてるじゃない。イケそうね」
カンナは指を増やして更に穴をかき混ぜ、男性にしかない器官を探り当て、男でも女並みの快感を与えた。
敦司は擬似性器も未経験だったのに、更に激しい快感に翻弄される。カンナが中断させても興奮は収まらず、刺激が強まっていけば三分も耐えられないと確信していた。
頭の中で数を数える余裕は無かった。さっき出したばかりだというのに、敦司は、多分二分と持たずに二発目を発射した。
「あぁぁ…こんな感じに、なるんですね…」
敦司は、今開発された穴の入り口を手で擦った。
「これで、相手が男でも、大丈夫…」
「それは、ぜえっっったぁい、嫌です!!」
敦司はカンナの言葉を遮って、そう叫んだ。
彼は、世の中に同性愛があるのは理解するが、心の中では、特に男同士は、自分と関係ないところで行われてほしいと思っていた。
「冗談よ」
「ええ、それは、そう思いますが」
「とにかく、ご苦労。これでまじりっけのない二発分ゲット」
カンナはオナホを取ってスキンをから精液が零れないように丁寧にはずす。
「…」
「何だ、その目は?確かに、前立腺マッサージまでしておいて、なぜ本番はさせない?そう思うのも道理だ。しかし、私ぐらい力がある人間と絡むには、もし安直に行うと君の女運、しいては運命すら大きく左右するんだ。最初が肝心なんだ。それ以降は倦怠期になってから考えれば済む」
「昔から、結婚式の日取りに拘るのもそういう理由もあったんですね」
「その通り、かつては初夜という意味合いも結構あったからな。もし野乃花と交わることがあっても、幾つかの要素がプラスに作用すれば、運気をもたらす場合もある」
「こんな風に、ただ抜くだけの場合は?」
「その営みに心が入っていなければ、女の方も運気が下がる。つまり、パネルで指名をとってもやる気のない風俗嬢の場合は、仕事以外で身を持ち崩す」
敦司はは結局彼女の好奇心と効率化の実験台にされたような気もしたが、稼ぎもない身で今回も二者択一という場面で重要な助言が得れた。