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特進クラスの日常と事情
官能リレー小説 - 学園物

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特進クラスの日常と事情 4

「ありがとう、声かけてもらえて嬉しいよ」
敦司が少し待っていると、アキラも程なくしてやってきた。

ちょっと童顔だが、ショートカットでボーイッシュな顔立ちは少年のよう。
腕や太腿にはがっちりと筋肉がついている。
正直自分よりもあるんじゃないかと敦司は感じるくらいだった。
胸の豊かな膨らみがなかったら男でもおかしくない…同時に敦司はそう思った。

「悪いな、授業後に呼び出したりして」
「全然。一人でトレーニングするよりは楽しいから」


彼女はどこか退廃的な野乃花より健康的に見える。スクワットの時に乳が揺れるし、背筋の時にヒップが意外と大きくて形が良いと分かった。

「いろいろ聞かせてくれるかな。人生哲学みたいな…ざっくりでいいから」

敦司とアキラは本格的に話すため、ベンチに座る。

「ボクは、同性愛者じゃない」
「いや、ざっくりしすぎ」
「パートナーになるなら、大事なことだろ。それに、ボクは誤解されてる部分も結構ある」
「それは、説明してくれればいいし」
「ボクは余計なものを捨てて、ここまで上り詰めた。そして、いつここを追われても困らないように、強くなりたい」
「そのための肉体だね」
「最初にタフさが大事だと気付いたのは、エリートの父が健康面の不調で出世コースから外れたことさ。ボクも最初の頃はおしゃれとか美容に惑わされていた」
「つまり、教訓や過去の反省の結果だと」
「それと、合理主義さ。食事はプロテインとサプリで済ませ、下着もスポブラだけ。でも…」
「でも?」
「性欲には勝てない…」
「力、強いね」
「ごめん」

話しているうちに敦司はアキラに手を掴まれる。鍛えているだけあって少年と遜色ない力だった。

「少女としては足りないけど、これでもメスなんだ」
「分かるよ、女の汗の匂いってのも新鮮だね」

敦司はアキラに野乃花とは違ったインパクトを感じた。
 そして、アキラは敦司の手を掴んだまま目を閉じた。夕日が顔にまともに当たっているから眩しいのかもしれなかった。
 それでも、その夕日に照り輝いた少年のような女性の顔。敦司はこの何とも言えない雰囲気に、自らの唇をアキラの唇に近づけた。

その気持ちはアキラも一緒だったのだろう。
2人の顔は自然に少しずつ近づき、どちらから先導するでもなく、そっと触れた。

「優しいんだね」
「そうかな…」
唇が触れた瞬間はほんのわずかな間だった。
敦司がアキラの表情を覗き込むと、その瞳は少し潤んでいるように見えた。

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