特進クラスの日常と事情 21
それは女らしさを否定してきたアキラのトラウマの部分なのだろうか・・・
敦司の前では少しずつ女らしくなっていくアキラだけど、まだ払拭出来てないところがあるのかもしれない。
「じゃあ、野乃花・・・もう少しだけ待ってくれるか?・・・アキラを抜きにしてやりたくない」
「敦司・・・ボクの為にそんな事しなくても・・・」
「ダメだ・・・アキラが納得できるまでは保留だ」
敦司の言葉にアキラは普段とは違い弱々しく抗議するが、敦司は頑として突っぱねた。
それを聞いた野乃花は微笑みながら言う。
「分かったわ、それまで待つ・・・敦司らしくていいわ」
済まなそうなアキラの肩を抱いて野乃花は気にしてないよとばかりに笑う。
そして、敦司に向かってこう言った。
「なら先にアキラを抱いてあげて・・・孕みたくなるぐらいまで」
「おいおい、無理矢理すぎるぞ、それ・・・」
少しおどけた口調の野乃花に敦司も笑うしかない。
そしてアキラも表情が少し明るくなったのだった。
「でもボク・・・敦司とのセックスは好きだ・・・ううん、敦司とのセックスなく過ごせないぐらいだよ・・・」
「俺もアキラとのセックス好きだぜ」
ふと、カンナとの話の中で、妊娠とは関係ないプレイの話が出ていたのを思い出す。
アキラがなんというか分からないが、それを言って壊れるような関係ではないと、敦司は信じた。
「なら…こっちでやってみるか?妊娠…しないように」
敦司は自らの尻を指して、ためらいながらも言ってみた。
「へえ、敦司そういうプレイも考えてるんだ…いいけど、じゃあ、ボクも…ええと、何て言うんだろう?レズプレイとかで出てくる、男性のを似せたやつをここに付けて、っていうの」
「えっ…ええぇと」
「自分がやられて嫌なことを人にやる敦司じゃないでしょ」
敦司は“どうしよう”と思った。
「少し早計だった。君たちはいずれ孕む。そうなったら、しばらくできない。
でも、無事子供が生まれれば助かる人が大勢いる。認知しないんでいいんだから悪い話じゃない」
「その間は敦司とできなくなるわ、流産はノーカウントにしかならないし」
「出産は、女子には必須みたいなものだし」
「だから、パートナーを増やすよ。学校もそうしてほしいから枠を増やしたみたいだし」
敦司はいったん興味のあることは引っ込め、学校の思惑を利用して遠まわしに新しいパートナーと違ったプレイに挑むと宣言する。
そう決断した敦司は、当然のように二人とこの後無茶苦茶セックスしたのだった。
そして、7月テストの結果発表の日が来た。
トップは一年生から変わらずトップを取り続ける通称『女帝』と、5位まではそのパートナー男子である通称『親衛隊』の四人。
女子でも優秀ならこうやって複数のパートナーが持てるのだが、逆に男子でもパートナーより下位ならこうなってしまう。
だが、親衛隊達の彼女に対する態度はまさに女帝を相手してるようであったから、納得した関係なんだろう。
そして、その上位5人の壁は今まで誰にも破られていないのだ。
一方、敦司はと言うと・・・
11位までジャンプアップしたのだった。
これは自分でも驚くべき結果で、思わず呆然とするぐらいだった。
それだけでない。
アキラも敦司をアシストするように20位以内に、野乃花も20位近辺まで成績を上げると言うジャンプアップをしてのけた。
これで敦司はもう1人パートナーを得れる権利を得た訳である。
早速事務室で新たにパートナーになれる女子を確認した敦司だったが、1人の女子の名前に釘付けになる。
その女子の名は、柏崎美羽・・・
敦司とは中学校からの仲良しで、特進入りする時にパートナーと望んで得られなかった女子だった。
敦司は早速手続きする。
毎日クラスで顔を会わせてはいたが、彼女もパートナーに付きっきりだったからまともに話なんてしてなかった。
それだけに久しぶりに会うような感覚で彼女と顔を会わせたのだ。
「うれしい・・・私を選んでくれたんだ・・・」
制服にサマーセーター、程よく短いスカート。
抜群のスタイルとセンスの良さは磨きがかかった気もする。
アキラや野乃花も変わらないぐらいの美少女の範疇に入るが、美羽と比べると女の子としてのセンスが段違いに感じる。
ある種、美点と欠点がそれぞれ突出する二人に比べて、トータルバランスで魅力的な女の子なのが柏崎美羽と言う子なのである。
「真っ先に選びたかったんだぜ、美羽」
「ずっと待ってたのよ、迎えにきてくれたからホッとしてるけど・・・」