風紀委員Girls! 958
「んー、俺、そんな風に見えますかねぇ」
「私には見えるかな、すっごくイケメンだし」
「イケメンなんて思わないし、実際全然モテませんよ」
そう思うと桜咲の女子って見る目ないなぁなんて思っちゃう、清華の胸の内。
「まあ大好き、って言ってくれる女の子なら一人だけいますけど」
「あら、やっぱりいるじゃない」
彼女ができそうなら…まあ…
「10も年の離れた妹ですよ」
「あっ、妹さん;…」
それを聞いてちょっと胸を撫で下ろす…
「妹と言っても血の繋がりは無いですけどね…」
「えっ…それって?…」
「妹は新しい母親になった人の連れ子ってやつです…僕の本当の母親は、親父と離婚しちゃってますからね…」
「そっか…」
青海の子にもそういう複雑な環境の子がいるんだ…清華は恭平の気持ちが聞けて嬉しい気に、少しだけなれた。
「着きました、ここですよ」
晋也が声を張り上げた。
「え、ここ晋也くんのお家?」
「広そう…それこそサッカー場くらいありそうじゃん」
「土地と上物だけは代々受け継いできたもんなんで立候ではあるんだけど、内情は維持していくだけでも大変みたいなんですけどね…」
それはそうだろう…
これだけの敷地…税金で幾ら持っていかれるか分かったもんじゃない…
「でも晋也の家ってすごいんですよね、いくつもの高層ビルを建てて管理も手掛けるゼネコンみたいな」
「へぇ」
「青山さんのとこに比べたらパッと出の成金みたいなもんです」
「それでもすごいじゃない!早く中に入ろうよ!!」
テンションが高くなった愛美。
愛美も中学までは桜咲に憧れを持っていた一人。
しかし家の経済状況なのがクリアできずあきらめた過去がある。