風紀委員Girls! 916
手紙を書くなんて久しぶりだった。
最近は年賀状すらメールで済ませていたからな..,.
だからこそ手紙に書くことが意味のあることに思えたのだ..,.
夏織にせめてもの誠意伝えたい..
それが少しでも夏織の気休めになるのならば..
一文字一文字、一つの文章に確かな気持ちを込め、ノブアキは精いっぱいの思いを書き綴った。
途中何度も悩み、行き詰りながらもその手紙を書き終えた。
「里英さん、次に夏織さんがここを訪ねたら、これを渡してほしい」
「かしこまりました…」
…
「ノブアキさんの手紙?」
「夏織さんに渡したい、って」
数日後のこと。
恵美菜は賢次の家を訪れ、紅茶とともにそんな話を耳にした。
「それってラブレターってことかしら?…」
「どうかな?…、最近はメイド以外は会ってももらえないって話しだぜ…」
賢次は封筒を天にかざし、中身を透けて見ようする…
「夏織さんもお気の毒ね…自分も被害者だっていうのに…」
あの手紙を書き綴ってから、夏織がノブアキのもとを訪れないため困った里英は旧知の賢次を訪ね、代わりに渡してほしいと頼まれたのだ。
「賢次くんって、ノブアキさんのお家に遊びに行ったこととか」
「1,2度だけだよ。里英さん、よっぽど困ってたんだと思う」
「私が夏織に渡しておくね」
「そうしてくれたらありがたいな」
「それはそうと…賢次くんもノブアキさんには会ってないの?…」
「ああ、本人が誰とも会いたくないって言ってるって聞いたからね…わざわざ僕なんかが会いに行ったって、門前払いが関の山だと思ってさ…」
「そんなに重症なんだ…男同士のそういうことって、腐女子の間では憧れに近いものもあるっていうのに…」