風紀委員Girls! 10
「…何言ってんのよアンタ達は」
「あ、アリシア!?いつの間につけてたのよ!?」
「…アンタらの後方支援って、舞が言ってたじゃない…」
「そ、そーよね。で、いったい…」
「滝谷旬の調査はいいんだけど、本気でオバサンになってナニをする気なのよ…」
「そんなの決まってるじゃないぃ。より深い報告書を提出しないとぉ、前に進めないでしょぉぉ?」
「そぉれによぉ、明日香と涼に負ける訳にはいかなぁいでしょぉ?」
「それはそうだろうけど…深い報告書って何よぉ?」
「だからぁ〜OLとか女教師にでも化けてぇ〜、滝谷旬に近付くのぉ〜」
「はぁ?OLとか女教師って貴女たちにとってはオバサンなぁ訳ぇぇ?」
「モチロン!20過ぎたらもう…オバサンでしょ?」
「だぁれ〜が〜オバサンですってぇ〜?」
「…へ?」
「えっ!?」
予想もしない声の主に驚く唯と夏織。
2人だけでなくアリシアまで面食らう。
「まったくこれだから最近のお子様は困るのよ」
「つかアンタどっから沸いて出てきた」
「私が呼んできた」
「愛美ぃ、それ早く言ってよぉ!!」
白衣姿も麗しいこの女性は榊原由真、清美学園の養護教諭。
25歳にして双子の娘の母親でもある。
「アダルトビデオショップの前で、お小遣い稼ぎでも企んでいたんじゃないのぉ?」
「そんなぁ〜偶然でぇすってぇ〜…ええ!!ここってそんなお店だったんでぇすかぁぁ〜?!」
「また白々しいこと…任務は上手くいってるの?」
と…4人の耳に届く、バサリと物が落ちる音…
見ると、顔を赤らめた滝谷旬が呆然と立っていた…
その足元の茶袋は破れ、白衣をはだけた女教諭のパッケージが覗いていた…
誰一人として、その音を聞き逃した者はいなかった。
ボーっと立ち尽くす旬を他所に、唯は素早い動きで落ちたパッケージを拾う。
「おぉっと、これはぁ!」
「…こんなのあるんか…」
「ってか、この格好由真センセに似てますねぇ」
「あらほんとね〜♪」
これも風紀委員の作戦である。
教師の中には風紀委員の協力者もおり、由真もその一人なのだ。