風紀委員Girls! 897
「執事さんは信頼できる方なんだ」
「もう白髪のおじいちゃんですけどね。親の代から忠誠を誓ってくださる、人生の大先輩です」
賢次が優しく笑いながら恵美菜にティーカップを渡す。
「あ…美味しい」
「喜朗さんの入れる紅茶は格別ですよ」
「喜朗さんっておっしゃるのその執事さん…」
「うん、紅茶だけは喜朗さんに敵うやつなんていないさ…」
「ほんと、こんな美味しい紅茶初めてだは…」
「よかったぁ恵美菜さんが味の分かる人でぇ…」
賢次は嬉しそうに笑う。
ちなみに恵美菜は清美の生徒会室に初めて紅茶とティーポットとカップを持ち込んだ主であり、大の紅茶好きでもある。
「ありがとう、恵美菜さん」
「私の方こそ…無理言ったりしてごめんなさいね」
「いや、僕も…またいつでも遊びに来てください」
「今度は喜朗さんという執事さんにもお会いしたいは…」
あんなに美味しい紅茶の入れ方を、是非ご伝授いただきたいものね…
「喜朗さんも喜びますよ。なんたって僕が“男”になったことを凄く喜んでいましたからね…」
「やだぁ;…喜朗さんは今日のことを?…」
「それゃあそうですよ…部屋まで紅茶を運んでくれたのは喜朗さんですからね…」
ええー、喜朗さんにはしたないところ見られてないかなぁ、こんな場所でお坊ちゃんの賢次くん相手に…
「多分見てないから大丈夫ですよ」
「そ、そうかな…」
お互いちゃんと服を着て、温もりのある紅茶を味わう。
甘くて心地よい。
生徒会室の紅茶タイムも、最初はアリシアくらいしかお供がいなかったんだよね…懐かしく思っちゃうな。