風紀委員Girls! 889
「本当ですか…なら…」
賢次は周りを気にしながら、さらに声を潜めて言う。
「俺に、女性というものを、教えてください」
「……」
まさかの一言に、恵美菜は思考停止する。
「す、すみません…やっぱり軽蔑しますよね、いいです、聞かなかったことに…」
「………私なんかで、ホントにいいの?私だって、男の事全然わかってないのに」
「それじゃあお互いに教え合うっていうのはどうですか?…僕は全てをさらけ出しますから…」
「あっ;あの…全てって…全てってこと…?」
「も、もちろんです…僕も男ですから…」
「ほんとに?…いざとなったらやっぱり止めとく…なんて言わない?…」
「いえ…男ですから、やると決めたら最後まで全部やり遂げるつもりです…」
賢次の瞳には一点の曇りもない。
恵美菜も彼はウソを言っていないとその目を見て理解した。
「どこか2人きりになれる場所、ある?」
「家に来てください。離れは僕のモノ同然ですから」
離れだなんてさすがに青海のお坊ちゃま…立派な家に住んでいるに違い無い…
「でも、突然お邪魔して悪くない?…」
「庭から入れば誰に会うことも無いですよ…僕の使っている離れなんて、午前中にメイドが掃除に来るくらいのもんですから…」
ああやっぱり、メイドさんとかいる家なんだ…
碧とか静香さんの家を想像する。
青海や桜咲だとそういうのって当たり前なのかな、とも思ってしまう。
街中を離れて行ってしばらくすると大きなお屋敷みたいな場所に行き当たる。
「ここなんです」
「で、デカっ」
「まあ、誰でも最初はそう思います」
賢次は裏口まで恵美菜を案内する。
「こっちの方が離れに近いので」