風紀委員Girls! 885
「彼は、その…唯に紹介してもらっただけだから、そんな進展だなんて…」
「お家には行ったわけでしょ」
「……うん」
「それだけ?」
「手料理、振る舞ってくれた。でも、それだけだから…」
「それ、かなり進んでない?」
「そうかなぁ…」
美咲は思わず考え込む。
ある意味天然な彼には好感を持てたけど、私を女として見てはいないよな;…
彼をその気にさせるのはイバラの道だろう…
「そんな顔しないの…せめて小川航平の画像コレクションを増やしたら?…」
「唯に頼めば貰えるかしら?…」
「何言ってるの…“実物を見ないと分からない”…って言ったのは美咲じゃない〜」
「そうね…わざわざ家に誘ってくれたのは唯だもんね、頼めば引き受けてくれるかな…」
「言うだけ言ってみたらいい。ダメなら諦める」
「うん…」
生徒会室に舞と清華が入ってくる。
「お取り込み中?」
「何がよ、全然よ」
「そうだ、舞と清華ちゃん、真里菜の彼氏を紹介しよう」
「うえ!?真里菜にも出来たの?」
「滝谷くんの後輩ですってよぉ〜」
美咲はモニターを回転させ2人に向ける…
「ぅわぁ!…いきなりこんな画像撮れたんだ;…」
「それに凄い大胆なポーズ;…こんな格好よくしてくれたはね…」
舞と清華は顔を高揚させずにはいられない…
「真里菜、やるなぁ」
「可愛い感じなのに、モノは結構あるんだなぁ」
「ふふふ、そこがいいんだな〜」
周りが次々想い人ができ、いい関係になっていく。
美咲はそれに関して焦るつもりはないのだが…何か期するものがあった。
「ノブアキさん今日も合わせてもらえなかった…そんなに深刻なのかな…」
肩を落とし病院から帰路につく青海の制服の少年。
磯貝賢次。
ノブアキを慕う青海幹部の一人。
彼のショックもまた計り知れないものだった。
「あら、青海の子?」
それを見つけたのは恵美菜だ。