風紀委員Girls! 878
コレがもっと未熟なモノだったらこんな気持ちにはならなかったと真里菜は思う…
少年っぽさを残す虎太郎くんだからこそと…どこか期待していたのだ…
だけど…
虎太郎くんのソレは真里菜の期待を反して充分に大人だった…
「結構いいせん言っているって滝谷さんには褒められんすけど、やっぱ女から見るとダメすっか?…」
「ううん、虎太郎くんのは男として合格だよ。もっと自信を持っていいと思う」
「そ、そうっすか?」
「うん…」
真里菜は虎太郎に近づき、両腕を彼の肩に回し抱き寄せる。
ハッとした表情の虎太郎も心拍数が少しずつ上がっていく。
不意に唇が重なる。
「好き、になっちゃったかも…」
始めはあの出来事を克服する為だけに虎太郎くんを利用しようと思っていた…
それなのに虎太郎くんは…優しかった…
落ち込む自分の為に、恥ずかしさも顧みずに必死で私を笑わそうとしてくれた虎太郎くん…
今だってこんなにも心配してくれた…
今は無理でも虎太郎くんの優しさに触れていれば、あんな事なんて徐々に忘れることも出来るかもしれない…
真里菜の中で僅かながらな希望の光が燈る…
「真里菜さん…」
「虎太郎くん、好き」
「えっ!?」
「いきなりごめん、私、虎太郎くんのこと、ホントに好きになっちゃったかもしれないの…」
最初は戸惑っていた虎太郎だが、その言葉を理解するとちょっと照れたような笑顔を見せた。
「初めてです…俺、女の人からそう言われたの…」
「ホントに?…それじゃあもしかして…キスをしたのも初めてだったの?…」
ちょっと驚きながら虎太郎くんの顔を覗き込む…
「やっぱ驚きますよね;…俺、硬派な男に憧れてて;…」
ああそういえば、滝谷旬も舞が初めての相手だったのよね…