風紀委員Girls! 872
「ぁ…あのぉ…?」
と、言われても何を言われているか分からない…
虎太郎はこういうことには慣れてはいないのだ。
「もぉおぅ〜別にラブホに誘っている訳じゃないんだよぉ;…」
ある意味天然の虎太郎を真里菜は笑ってしまう…
「そ、そんなこと誰も思ってませんてぇえ、誰かに聞こえたらどうするんっすかぁ〜」
顔を真っ赤にして慌てて否定する虎太郎。
そんな初心なところが可愛く見えてくる真里菜。
「もじもじしてると置いてくぞ〜」
「あっ!?待ってくださいよぉ〜」
少しだけ、『恋』の予感も抱きながら。
改めて、カフェの中へ。
「…なんか慣れないっす」
「友達と行かない?」
「もちろんっすよ…男同士でこんな小洒落た所で茶なんか出来る訳ありませんって;…」
「あらぁ、女の子の友達とかはいない訳?…」
「いませんいません…俺、黒獅子ですよ…近づいて来る女の子なんてそうはいませんから;…」
「それで一人寂しく…あんなもん観て慰めてるって訳なのね…」
うっ;…
返す言葉も無い;…
「そういえば自己紹介がまだだったね。私、本多真里菜。清美の風紀委員だよ」
「宮田虎太郎って言います…」
「可愛い名前だぁ」
「いや、可愛いって…コの字は虎なんですよ。強い子になってほしいっていう親からの期待の表れです」
「ふむ」
真里菜はオーダーを見ながら聞き流す。
「阪神ファン?」
「いや、野球は詳しくないっす…」
「それじゃあ親御さんが…?」
「いえ;…親父もお袋も野球には興味ありませんって;…名前に“虎”が付くからって阪神ファンだとは限りませんよ…」
ちょっと呆れぎみに虎太郎は返す…
虎太郎にしてみたら、今まで耳タコ状態で聞かれていたことだったのだ…