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風紀委員Girls!
官能リレー小説 - 学園物

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風紀委員Girls! 871

男が男に対する嫉妬。
舞にはさっぱりわからない、それはおそらく当人でしか感じられない事実なんだろうが、親友があんな被害にあったあとでは考えたくもなかった。

青山家を巡る人間関係の闇は深い。
それはその中に身を置く静香でさえも真実を知る術がなかった。


事件の騒動による慌ただしさが過ぎ去ろうとしていた夕暮れ。

「いやぁ〜、やっと俺の手元に回ってきたぞ〜」
黒獅子の一年生、宮田虎太郎は黒いビニールの包みを大切に持ち歩いて帰宅途中にあった。
彼もまた旬を慕う。そのグループでは一番の下っ端だ。
ビニールの中身は先輩たちが回覧して視聴してきたエロDVDである。

「ふふふ〜……うおおおぉおぉっ!?」
突然横から激しい衝撃を受け転倒する虎太郎。包みが落っこちてしまう。
「ああっ、俺の、っ…」

横では衝撃を与えた相手、真里菜がうずくまっていた。

「ぅわぁ!ごめん;…」
黒いビニールが破け、AVのパッケージが散乱し虎太郎は慌てる…

「やだぁ…これって…」
真里菜の目の前に降ってきたパッケージ…
それは以前、滝谷旬が購入していたのと同じ女教師ものだった…

「うわー…」
「あああ、これは、その、借りたものでしてっ、あの…」
「その主、私知ってるかもね」
「え」

虎太郎の表情が凍りつく。
ヤバい、この人清美の制服…もしかしたら…

「キミ、黒獅子の子だね?」
「は、はい…」
「えへへ、お話しよっかあ」

「あっ;…いいっすけど…」
「ふふ、もしかしてこれが早く観たかったりする…?」
真里菜は落ちていたパッケージを手に取る。

「あっいや;…それは無理矢理先輩に押し付けられたようなもんで;…」
もちろん嘘だ…
下っ端の自分に廻って来るのを首を長くして待っていた虎太郎だ…

返してくださいという視線を真里菜に向ける虎太郎。
真里菜もそんな虎太郎の思いを察しパッケージを手渡す。

「年上の女の人が好み?」
「は、はい…」
「そっかぁ、そうだよねぇ、お姉ちゃんたち見ててもそう思うもんなぁ」

虎太郎から見たら真里菜だって魅力的すぎる存在だ。
今までの自分にとっては女なんて母親くらいしか免疫がないのだから…あとはこうした偶像みたいなものしか見てこなかったのだし。

「ちょうどよかった」
真里菜は虎太郎に、通り沿いのおしゃれなカフェを指さした。


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