風紀委員Girls! 870
幸成の身体を軽々と抱え上げ車に運んでいくSPの背中を見ながら、舞たちも別の車に乗り込む…
「お兄様をあんな目に合わせたのが幸成さんだなんて…凄いショックだは…」
「静香さんたちとはいとこになるんですよね?…」
「ええずっと仲はよかったのよ…お兄様と幸成さんなんて兄弟みたいに…」
表の顔と裏の顔か…
人ってなんだか怖いな…
「静香さんは、ノブアキくんが夏織と付き合ってるのは知ってるんだよね?」
「はい、凄くお似合いで、素敵だと思います。碧さんも別にお付き合いされていると聞きましたし…」
「幸成はそれの何が気にいらなかったんだろうな、二人の仲を引き裂こうとしてたわけでしょ?」
清華が吐き捨てるように言い放つ。
「幸成さんは、もしかしたら…」
「静香さん…何か気になることが…?」
舞は何かを思い出したかのような静香の顔を伺う…
「いえ…傍から見ていてもお兄様と幸成さんは本当に仲が良ったの…、女の私なんかが入り込めないほど…」
「もしかして幸成は…ノブアキさんに対して歪んだ恋愛感情を抱いていたってこと?…」
「何よそれ…なんだか気持ち悪い…」
清華が毒づく。
「そういう男の人だって少なくないと聞きます。青海にもそんな人がいる可能性は、幸成さんだってもしかして」
「…」
幸成はノブアキを奪おうとして夏織を襲い、さらに自分のモノにするためノブアキまでも…??
舞は考えた。
「私だって、悔しいですよ…」
「あらぁ清華ちゃん…貴女もしかしてノブアキさんのことを…?」
「ずっとファンでした…だけど夏織ならいいかなって…、だって夏織とノブアキさんは、誰から見てもお似合いのカップルだったんですもの…」
「確かにあの2人は理想のカップルよね…だから尚更に幸成は許せなかったんじゃないかしら…?」