風紀委員Girls! 88
「ノブアキくん!」
「あ、天野さん…だっけ、君は泳がないの?」
「いや、ちょっと病み上がりなもので。それより、そこはどうしたのかな?」
ちょっと意地悪してみる。
「いや、その、あの…」
「美菜子と碧、スタイルいいよね〜」
…何と言いますか、男の子をおちょくるのって楽しいもんですね。
「あ、僕なんかより天野さんの方が顔が赤いんじゃないか?」
そう言うなり、掌を額に宛てがってくるノブアキ…
熱い吐息を身近に感じ、舞は慌ててその手を振り払っていた。
「やだぁなぁあ!熱なんか無いから心配御無用だよぉお」
長い睫に赤い唇…染み一つない滑かな肌…近くで見たノブアキは、女の子にも負けないぐらいの美しさを持っていた。
思わず心の奥がドキドキと高鳴った。
「ノブアキく〜ん、早く早く〜」
「一緒に泳ぎませんか〜」
プールに入った美菜子と碧がノブアキに声をかける。
「えっ、ええ〜」
戸惑うノブアキ、さあどうする?
「ちょ、ちょっと待っててくださいね!?」
ブーメランの海パンを持って向かおうとする先は更衣室か。
まあ仕方あるまい…
美菜子と碧がここで生着替えしたからって、それに感化されるほどノブアキは子供じゃないのだ。
待つこと数分…
更衣室の扉が開き、ノブアキが出てきた…
「ほぇ?…@@」
「はははぁ!ここで泳ぐ男は、皆褌一丁と決まっておるんじゃ!」
締め込み姿のノブアキの後ろから顔を出したのは、権造爺様だった…
「(何故にお爺様が出てくるわけですか)」
その姿を見ながらがっくり項垂れる舞。
そう言う権造爺様も褌一丁。
もう泳ぐ気満々ですといったスタイルに思わず苦笑いしてしまう。
「(…愉快な一族だな)」
プールをのんびり眺めながら、舞はそう思うのだった。