風紀委員Girls! 861
やはり見張りの男は不審そうな目でスカーレットを見る。
離れた場所で佳奈たちは彼女の次の一手をうかがう。
その瞬間
「うわ!?」
「アイツはこれがあるんだよなぁ」
目にも止まらぬ速さで蹴りを繰り出し、男をKOする。
「皆さん、行きましょう!」
スカーレットは3人に合図し、さらに正面のドアを蹴破るのだ。
囲むように輪を作った男子たちが一斉に振り返る…
その輪の中に夏織はいるのだろう…その姿はここからではまだ見えてはこない…
「なっ!何なんだお前らぁ…!」奇声を上げるニキビ面の男子…
それを制するように真面目そうな男子が「ふっ…」っと鼻で笑った…
「誰…あの男子…?」
この場に相応しくも無い、その優等生風の男子に真菜は眉をしかめる…
「よう黒川、お前こんなことして青海のトップを取れるとでも思ってんのか?」
「君たちには関係ないことでしょう」
佳奈の言葉にもその男、黒川幸成は泰然としている。
「スカーレット」
「了解しました」
次の瞬間、束になってかかる男たちが一瞬にして打ちのめされる。
「なんだと…!?」
「何この力…」
幸成は呆然と立ち尽くし、真菜でさえその圧倒的パワーに驚きを隠せない。
次々に男をなぎ倒していくスカーレットの視界に入るのは制服を破り千切られ全裸でぐったりしている少女の姿だった。
「ひ……酷い……」
四人はその姿を見て一瞬固まってしまう…
そうであろうと心の準備はしていたが、まさかここまでとは誰もが思ってはいなかったのだ…
「…………夏織」
掠れた声で真菜が呼び掛ける…
その声に顔を上げる少女の顔は、もはや夏織とは分からないほどに赤黒く腫れ上がっていた…
「う、動いちゃダメ…楽にして、今救急車を呼ぶから」
「私……私はいいから…ノブアキくん…」
「彼は無事。大丈夫」
「……ありがと」
暴行と中出しの跡は凄まじかった。スカーレットですら言葉を失うほどだった。
「青海の奴ら、逃げたな」
「問題ないわ。特定できる画像を残したから。青海側に通告するよ」
「さすがです、恵里菜さん」
佳奈は夏織に近づき、頬を撫でる。
「ごめんな」