風紀委員Girls! 831
「2人がいいなら、ぜひ」
美咲もそこまで言われては断る理由などなかった。
それに、気になることは山ほどあるんだし。
唯の家庭については、いろいろと謎の部分も多かったからね…
「美咲のためにも頑張らなくちゃ」
唯は可愛らしいエプロンを付け、キッチンに向かった。
リビングに航平と2人残される美咲…
嬉しいんだけど、手に汗をかいてしまう…
「あの…先日はありがとうございました…」
美咲の言葉にきょとんとした表情を浮かべる航平…覚えていないのだろう…
「再開発地域のあの時…私もあそこにいたんです…」
航平が助けに来てくれなかったら…と想像するだけで身振いしてしまう…
現に親友2人が犠牲になった。
望まぬ形で初めてを奪われ、そのうちの1人は妊娠までしてしまった。
航平の表情も曇る。
「もっと早く行っていれば誰も傷つかずに済んだんだ…」
「でも、航平さんがいなかったら…」
美咲の声が震える。
航平は咄嗟に隣に寄り添い、背中を優しくさする。
「怖かったんだね…同じ男として謝るよ…」
「そんな謝らないでください…お兄さんはあんな奴らとはぜんぜん違いますよ…」
「いやそうでも無いさ…男だったら多かれ少なかれ、そんな願望は持ってるからね…」
「そうなんですか?…」
「男として好みの女を支配したいという気持ちは当然かもしれない。しかし、それは100パーセント許されるわけではない」
航平は神妙な表情をしながら考える。
「僕だって過去にやってしまった過ちがあるんだ…今でも忘れない」
「航平さんにそんなことが…?」
「まあ、警察に捕まるとかいうことじゃないけど」