風紀委員Girls! 828
「そう?…やっぱりそっち系の顧問弁護士じゃダメかしら?…」
唯は声のトーンを低く落とす…
「あっ、そういう訳じゃないんだけど…」
確かに航平は雑賀組の顧問弁護士…
いくらいい男でも、親には会わせられない気はするけど…
未遂に終わったとはいえ美咲は雑賀組の下っ端たちに追われ怖い思いをしたことがある。
それに親友が何人も襲われ犯された。
その顧問弁護人の航平と会うのは抵抗がまったくないわけではない。
「まあ散々なことは言ったけど、私は大好きなお兄ちゃんだよ」
精一杯に笑顔を作る唯…
唯だって、このまま実の兄に想いを寄せていてはいけないことなど分かっていた…
「そうよね…やってる仕事なんて関係ない…私はお兄さんの中身をちゃんと見たいと思っているは…」
そう…自分はほとんど小川航平と言葉も交わしたこともないんだから…
その後、言葉少なくなってしまった2人。
しばらくして唯の家に到着した。
「まぁ、上がっていってよ。飲み物とお菓子はあるし」
「ごめんね、手間かけて」
鍵がかかっていたようで、唯がポケットから自分のを取り出し開ける。
「お兄さんいないの?」
「寝てるのよ。最近は忙しかったみたいだから」
「やっぱり夜に仕事することが多いの?…」
「そうね…何やってるか知らないけど、明け方帰って来ることはしょっちゅうよ…」
まあ商売柄それはそうなんだろう…
「お休みのところ突然お邪魔して悪くない?…」
「そんなこと構わないはよ…それよりもだらし無い格好で寝ていたら、こっちこそごめんなさいだは…」