風紀委員Girls! 827
「「えええぇ〜!?」」
美咲と唯、同時に驚きの声を上げる。
周りの客の目が気になり少し肩身を狭くし佳奈に小声でつぶやく。
「もう、それとこれとは関係ないじゃない…」
「そう?静香に先行してだね」
「私は静香さんと競うつもりなんて…」
「唯ちゃんはどう?」
「紹介するぐらいなら…」
ここで変に拒むと、返って怪しまれそうな気がした。
「いいよいいよそんなこと…佳奈が変なこと言い出すから、唯だって困っているじゃない…」
「あらぁそう?…やっぱりあんなカッコイイお兄ちゃんは、友達に取られたくは無いものかしらぁ?…」
ふざけながら言った佳奈の言葉に唯はドキッとしてしまう…
「だからぁ〜さっきも言ったようにぜんぜんカッコよく無いってぇぇ…、よかったら美咲、今から家来る?」
「いいの?迷惑じゃない?」
「全然、今日は休みなのか一日中だらけてるよ」
佳奈はコーラを飲み干して微笑みかける。
「そう来たら行ってらっしゃい、健闘を祈るわ〜」
「そんなんじゃないってば!」
冗談とばす佳奈を美咲が肘で小突く。
とはいえこんな風に背中を押されなければ、小川航平に近づくことなんて出来なかっただろう…
そう思うと佳奈に感謝せずにはいられない…
別れ際、ファミレスの前で佳奈にハグをして、耳元で小さく“ありがとう…”と囁いた…
そんな美咲の背中を、佳奈は何も言わずにポンポンと優しく叩いた…
佳奈と別れ、美咲と唯は唯の自宅を目指して歩き出す。
「美咲って年上の男が好きなのね」
「うーん…別にこだわってるわけじゃないんだけど…たまたま気になった人が年上なだけ…」
「まあ、お兄ちゃんにそういう人ができたら私も嬉しいよ〜」
「ちょっ、私は本気なわけじゃ…」