風紀委員Girls! 808
そんな脩の姿を見て、美菜子は当然訝しくも思う…
女の子の部屋に来て緊張しているのかしら?…そう思うと脩のことが可愛らしくも見えてくる…
「固くならないでぇ…私しかいないんだから素の脩くんを見せて欲しいなぁ…」
“硬くなる”とか“見せて欲しい”とか言われると、脩は変に勘繰ってしまう;…
そう言われたって今じゃちょっと…
まるで自分の状態を見抜いているような言葉に脩は反応に困ってしまう。
口では余裕を装う美菜子も必死なのだ。
さっきまでしていた行為を脩に悟られまいと自分が上手になるよう振る舞う。
たがいに見えないせめぎあいをしている、ように見えた。
「家まで遠かった?」
「いや、そんなことないさ」
「この前はありがと。ホントは嬉しかったんだ」
俺が告ったことを言ってくれているんだな…
「そ、それじゃあ…?」
脩は期待を込めて美菜子の顔を見る…
「本当はまだどうしたらいいか分からない…って言うのが正直な感想ではあるの…」
美菜子は包み隠さずに今の気持ちを脩にぶつける…
脩は逸る気持ちを押さえながら美菜子の話を聞く。
そりゃあ最初は自分の名前すら知らなかったのにいきなり告白してしまったのだから仕方ない。
「でも、キライじゃないかなぁ、キミのこと」
美菜子は頬を吊り上げる。
「不器用だけどきちんとした思いをぶつけてくれる人、好き。私も不器用だから…」
「そ、そんな…」
褒められることに慣れてはいない…
増しては“好き…”と言われて動揺し、手にしたグラスを倒してしまう;…
「あらぁやだぁ…ズボンがびしょびしょ…」
まだ口にもしていなかった満タンのグラスをズボン目掛けて倒してしまったのだ…当然脩のズボンはすっかりと濃い色へと変色していった…