風紀委員Girls! 803
「お、お前は滝谷!?なんで、しかも裸で…」
「ここは風呂場だ。服着てる方がおかしいだろ」
「お前、ここに住んでるのか?」
「バカいえ、俺の家庭でこんないい家は無理だ。お前みたいなお坊っちゃんとはわけが違う」
「じゃあなんで」
「ここはその…俺の彼女の家でな…」
「か、彼女ぉぉ〜?!」
脩は一瞬美菜子の家を間違えたかと慌ててその家の表札を確認する。
その洒落た筆記体で書かれた“AMANO”の文字に、ホッと胸を撫で下ろす…
「何だお前安心したような顔して…さてはお前の目当ては隣の家かぁあ?…」
ゲッ;…見透かされている;…
「隣のヤツは清美の生徒会副会長だ。確かになかなかの美人だよな」
「お、お前だって…」
「まあ頑張ってこいよ」
旬はそう言うと風呂場の窓を閉めた。
「…なんなんだよ」
脩は呆然と立ち尽くしたまま美菜子と舞の家を交互に眺めていた。
あんな奴にここで会うとは思ってもいなかったぜ…
それにしても…
当然黒獅子のアタマである奴のことは脩は知っていたが、その滝谷が自分のことを知っていたことがなんだか意外だった。
だけど悪い気はしない…“頑張ってこい…”かよ…
初めて言葉を交わした滝谷旬に励まされたくも無い気もしたが、脩の頬は緩む…
…さて、頑張れと言われても、この先自分はどうしたらいいんだ?
脩は再び家の門の前で考え込む。
日はすでに暮れているし、彼女…美菜子が家に一人だとは考えにくい。
そんなときにお邪魔していいものなのか?
今更明日香にメールするわけにもいかないよな…