風紀委員Girls! 764
「ここじゃなんだし、どっかお店でも入る?…」
待ち合わせの公園のベンチは、もう夕方だというのに子供を連れたおばさんたちに占領されていた。
「そうですね…何かずっと見られいるようで…ここ居心地悪いし…」
確かにおばさんたちの視線は司に向けらていた…
まあこれだけのイケメン…時間を持て余している暇な主婦たちの良からぬ妄想を引き立る素材には、うってつけってことなんだろうけど;…
あかりは司を連れ、近くのファミレスに入る。
幸いこちらは客はあまりおらず、目立つことのない座席を選べた。
(女性店員の視線は、まあ気にしないでおくか)
「それにしても、司くん、キミは絵になる男だね」
「そんな…」
「君みたいな子は、悩みごととは無縁だと思ってたけど」
「そんなことはないです。むしろ悩んでばかりですよ」
あかりは司の顔を見つめながら尋ねる。
「そんな司くんの相談に乗ってあげよう……というより、もしかしたら、舞のことかな?」
「ど、どうして分かったんすかぁ?!…」
「それゃあ分かるはぁよ…言わば舞と君は道ならね恋をしているって訳でしょ…」
「そ、そんな人妻と不倫しているみたいな言い方やめて下さいよ;…」
「あらぁだって、舞には列挙とした滝谷旬という彼氏がいる訳だし、ましては滝谷旬は司くんも尊敬してやまない黒獅子のアタマである訳だし…」
「そうですけど…」
司は煮えきらない感じ。
「尊敬する滝谷旬から舞を奪うと?」
「できませんよ…俺と滝谷さんじゃ比べ物にならないですよ」
あかりは司の顔を見つめる。
彼もまた、舞と同様に葛藤しているのだ。
「司くんも自信持っていいと思うよ…滝谷旬より勝っているトコロもある訳だし…」
例の画像は当然あかりのスマホにも入っていた。
「そんなもん何もありませんよ…滝谷さんは男として俺の憧れですから…」
当然司は、滝谷旬のモノが身長の割に見劣りすることを知らなかった。