風紀委員Girls! 73
『あらぁ麻耶さんだったら、夕べ犬の散歩している時に会ったはよ…』
「へぇ?それって何時頃ぉ?…」
『確か金曜ロードショ―が終わってだったから、11時過ぎぐらいかな?』
それって旬を麻耶さんに拉致されたすぐ後だ…
「もしかして、側に滝谷旬いなかった?…」
『ふへぇ?…麻耶さん一人だったけど…』
あれ?おかしいな…
『なんだなんだ、まさか滝谷旬を麻耶さんに寝取られたのか』
「間違っちゃいないけど、その言い方はどうにかならないの?」
…いろいろ思うところはあるが、自分から離れたところで何があったかなんて想像付かない。
「あっちはどうなったかね…」
『あっち?あー、青山ノブアキね。みんなデータをいっぱい送ってくれたよー。朝早くに帰っちゃったみたいで、もう解散しちゃったみたいだけど』
…有能な友人たちである。
自分はその友人たちに支えられたハリボテなんじゃないかと、舞はまた考え、少し落ち込んでしまう。
「ねえ、美咲…私、本当に会長でいいのか…」
『どうしたのよ、舞…って、泣くなよ〜』
「泣きたくもなるよ…昨日だって何の役にもたてなかったしさ…」
『そんなこと無いよぉ〜舞は誰よりも前進していると思うよ…」
「…前進?」
『私たちの本来の目的は、黒獅子と青海の闘争を食い止めることじゃない〜』
…美咲の言葉に、我に帰る舞。
「そう、だよね」
『ん、佐伯裕樹の裏切りがわかったときも、滝谷旬が拘束されたときも、率先して食い止めたのは舞じゃん』
「…あ、う、うん」
『その姿こそが生徒会長なんだぞ』
「ありがと…美咲」
『ん、じゃあ、月曜日にね』
「うん」
美咲と話しが出来てよかったぁ〜
舞は安堵しながらベッドに寝そべり、携帯を弄る…
幾枚にも貯まった画像、こんな時にしか整理出来ないと思った。
スクロールしていると、旬の姿に辿り着く。
初めて会ったあの時の…あのパンツ姿の旬だった…