風紀委員Girls! 72
…旬と麻耶さんはあの後どうなったのだろう?
そのまま食べられちゃったのかな…?
碧の家に泊まったみんなはどうだったのかな…
ノブアキに関する調査は出来たのかな…
…そう思うと、何もやれなかった自分は生徒会長失格だよ…舞は寝転がりながらそう考えてしまう…
旬が鎖で吊るされていた時だって、人気の無い公園で告白された時だって、ましては2人っきりになれたラブホでだって、いくらでもチャンスは転がっていたのだ…
それなのに…
旬はあれよあれよという間に麻耶さんに連れ去られてしまって、結局何も出来なかった自分が皆に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
仕方なく身体を起こして着替えて、一階のリビングに降りる。
…両親とも、昨夜の帰りが遅かったせいか、まだ起きていなかった。
ため息一つついて、舞は自分で朝食を作る。
「あ…」
程なくして、テーブルに置いたスマホが振動する。
『舞ちゃんおはよぉぉ♪〜もしかしてぇ滝谷旬と一緒だったりするのぉ〜?』
いかにも意味深な物言いをする、美咲だった…
「なぁ、訳ないじゃん〜!家よ家、1人寂しく朝ごはん食べているところぉぉ」
確かに寂しい気分に陥っていた。
『へぇ、そうなの?菜々美と菜摘が、舞と滝谷旬が2人仲良く消えていったって聞いたから、私はてっきり…』
「…全くあの2人は…誇張が過ぎるのよ」
『じゃあ、何もなしなのね』
「美咲が期待してるようなことはね。熱まで出してぶっ倒れちゃったし」
『…逆に大丈夫かよ!』
「そうだね…今回わかったのは旬くんがシャイボーイで、献身的ってことかな?」
『言うな、おい…そこまで行って進展しないのか…』
「麻耶さんと出くわしちゃってね」