風紀委員Girls! 714
それは昨日や今日付き合い初めたような軽いものでは無く…長く連れ添った夫婦のような…そんな固い絆で結ばれた男と女…
そんなものをどこか感じてしまうのだ…
「私はそんなお兄さんも、素敵だなって思えちゃうけどな…」
「ふふふ、うちのお兄ちゃんは滝谷旬とは違うよ〜」
「そういうことで言ってるんじゃないけどなぁ」
もし唯が、そんな彼に思いを抱いているなら…叶わぬ恋。
それじゃあ応援しようにも…
舞は頭を悩ませてしまう。
…放課後、生徒会室。
といっても会議などを行うわけでもなく、舞・明日香・恵美菜・真里菜・夏織らが集まってお茶するだけなのだが。
「あれっ?…美咲がいないなんて珍しいのね…」
確かにここの主とも言える美咲が、PCの前にいないことは珍しいことだった…
「そう言えばそうよね…授業だって吹けてよくここにいるのに、美咲のいないこの部屋ってなんか拍子抜けして見えるは…」
「何かあったのかしら?…学校には来ているんでしょ?…」
「今日は用事があって帰ってるみたい」
美咲の代わりにパソコンの前に座る樹里菜が言う。
「へぇ、珍しいこともあるもんだ」
「明日雪でも降るんじゃないかな」
「それはさすがに」
…その美咲が大変なことに巻き込まれているとは、このとき他の風紀委員たちは知るはずがなかった。
「…なんで私が黒獅子の奴らに追われなきゃいけないの?」
美咲はたまたま出くわした黒獅子の男子数人に追いかけられていたのだ。
くたびれた制服を見ると2年か3年…少なくても1年ということは無さそうね…
ということは滝谷旬に対立している奴らってことかしら?…
美咲はポケットの中で、舞に向かいメールを発信する…
「ん?…噂をすればだ…美咲からメールだよ〜」
そんなこととは知らない舞は、呑気に皆に向かい報告する。