風紀委員Girls! 690
「岩戸光輝…青海柔道部の…知らない?…」
舞だってつい昨日知ったばかりなのに、あたかも前から知っていたかのような口振りで言う…
「ん?…岩戸光輝って言えば、あの?…」
「なんだ旬も知っていたの?…そうだよね、オリンピック候補のアスリートだもんね…」
「いやそれもそうだけど、青海の岩戸光輝と言えば…タラシで有名じゃんか…」
「ああ、そっちなんだね…」
「付き合ってる女の数は5人とか10人とか聞いたぞ」
「10人はいないと思うな…」
前を歩く光輝と愛花はいたってラブラブそのものだ。
でも彼はこれを別の彼女でもやってるわけなんだよね。
まったく上手というのかなんと言うのか。
「それにしても女のほうはおっっぱいデカイな…」
「うん…グラビアアイドルみたいだね…」
舞はその手の女の子が載ったグラビアなんて見たことは無かったが、頭の中では“巨乳=グラビアアイドル”という図式が出来上がっていた。
「あの子だったら、体格のいいあの男にはお似合いじょないか?…なんだか二人がヤッてる姿…想像しちまうよ…」
旬のポケットの中で舞の手の甲に触れていた膨らみが、のそっと動く…
「私じゃつりあわないかな…チビでごめんね」
「そ、そういうこと言ってるわけじゃないけどさ…」
愛花と自分を比べ不貞腐れだす舞を、旬は慌てて宥める。
「お、俺はアイツみたいなタラシじゃない、舞一筋だから…」
「もしたらしだったら困るよ」
「おう…」
前を歩く2人は人通りの少ない路地裏へ。
不思議に思った舞と旬もそれをこっそり追いかけてみる。
角を曲がった所で二人の姿は消えていた…
「アイツら…ここに入ったんだよなあ?…」
蔦の絡まる小さな建物…それは小洒落ラブホテルだった…
「そうなの?…でも制服のままで入れるのかしら?…」
「それじゃあ俺らも…入れるかどうか試してみるか…」