風紀委員Girls! 685
「さーね、柔道部でしょう、部活一筋だったら女に見向きもしないんじゃないかな」
「…だけど、周りを取り囲んでるの、桜咲の子たちだね」
「あーホントだ…あれっ?」
美菜子は女子1人の後ろ姿に見覚えがあった。
「おい、いったい何事だ」
「え!?……あ、ああ、やあ、清美の方々勢揃いじゃん」
…そのひとりは、井口佳奈。
何故佳奈が岩戸光輝に絡んでいたのか。
「どういうことなの?」
「まあ、コイツ、何股かけてたと思う?5人らしいぜ」
「あらら;柔道一筋じゃ無かった訳ね…」
「まああんな顔していても、男であることに変わりはないってことかしらぁ…」
「それで佳奈さんも被害者の1人である訳ぇ…?」
「聞いてよ舞さん…コイツったら皆に"自分は童貞だからよろしく頼む"って誘っていたのぉよぉぉー!」
いったい何をよろしく頼んだんでしょうね…
もしかして、他の女の子にもそれを言ったんですかね?
岩戸くん、君ちょっとゲスいですよ。
「残りの子は佳奈さんの知り合い?」
「…ダチです。久野美里、芹沢祐未、沼倉真由美、寺川愛花…しかも同じクラスです」
「佳奈は彼氏いるんじゃなかったの…?」
「別れたって言ったじゃん…」
それでこんな男に引っかかちゃった訳ね;…
“気の毒…”としか言いようが無い…
「ちょっとアンタ…どういうつもりよ…」
舞は拳を握り、岩戸の前に進み出ていた…
「ど、どういうつもりって…清美の奴らに関係ないだろぉ…」
大柄な身体とは裏腹に、困惑で泣き出しそうな顔する岩戸光輝。
攻めてる側から言うのもなんだけど、スーパーアスリートの顔じゃないよ、もう。
「彼女たちと付き合ってる認識はあったの?」
「え、えと、その…」
「イエスならイエス、ノーならノー、男ならはっきり言いなさい!」
詰め寄る舞に、佳奈が縋り寄る。
「お、俺は、そんなつもりなんて…」
「この中の誰かと、やったの?」
後ろから恵美菜がそう言い出す。ちょっと質問が直球過ぎる。