風紀委員Girls! 680
「ありがとう夏織…でも今はちょっと気になっていることがあって…」
そう言いながらちらっと唯のことを見る…
舞は旬のことよりも、今は小川航平のことをもっと知りたかったのだ。
「もうそんなこと言ってて大丈夫ぅ?〜」
舞の視線に気づいた唯が、ニコッと笑いながら言う…
…唯も無理してるのかなぁ
その笑顔が心からのものなのかどうか、疑ってかかってしまう自分が情け無い。
小川航平は唯のお兄さん…唯だって心配してるよね。
「ま、私は私で頑張るから」
舞は短くきっぱりと言ってその場を仕切るのだった。
「ところで今日の議題はいったい何なの?…」
ポテトチップスの袋を抱えた樹里菜が首を傾げる。
「そうよねぇ試験前の忙しい時期に、召集が掛かるのも珍しいことなんじゃない?…」
樹里菜のポテトチップスに手を伸ばしながら夏織が言う…
「一番は真里菜と明日香の快気祝いなんだけど、それも試験が終わったあとのほうがいいよね?」
「うんうん、それがいい」
舞の提案に頷く愛美。
「…戻ってきた直後にいきなり試験ってのも2人にはきついなぁ」
「私たちで何とかしてあげないと」
「センセたちもそこらへんはわかってるでしょ」
心配する涼に、楽観視するのは和葉や彩花。
「まあ明日香には涼がついているから大丈夫なんじゃない?…」
PC画面に顔を戻した美咲がぽつりと言う…
「それもそうね…涼ってこの前の中間、上位何番目かだったのよね?…」
思い出したように可憐が言う。
「あれは単に運がよかっただけよ…一夜漬けで勉強した場所が、見事命中したに過ぎないんだって…」
それが涼の謙遜だと誰もが分かっていた。
そうじゃなきゃ運の良さだけで、毎回上位の点数なんて取れる訳ないのだから…