風紀委員Girls! 675
意外にガッチリとして筋肉質なその身体に、麻耶は自分の身体の奥底が熱くなっていくのを感じてしまう。
「やだ……こんなので、私…っ」
画面は航平から、次第に上に移動していき、唯の顔を映し出す。
また無音になってしまったが、その表情はあまりにも辛い。
虚ろな目で、涙を流し、実の兄の手で無理やり純潔を失う少女の姿。
「あぁあ…」
映像は、唯がガクンと項垂れたところで止まったのだった。
麻耶の頬にも涙が流れた…
こんな形であの子は処女を喪失したんだ…と思うと、胸が締め付けられ苦しくもなる…
それなのに自分は…
麻耶は硬く目をつぶり自分を諌めるのだが、脳裏に焼き付いた小川航平のモノは、そう簡単には忘れることなど出来そうもなかった…
唯を思う気持ち、航平の体に疼く心と身体、両方が交差する。
麻耶は震える手でリモコンを押し、ビデオを取り出す。
たぶん、これはもう、見ない
麻耶はよろよろと立ち上がり、シャワーを浴びに浴室に向かう。
………………
翌朝、前日の曇り空から一転快晴になった通学路。
彩花は前方を一人で歩く唯の姿を見つけ、背後から駆け寄る。
「おはよ、唯」
「ああ、おはよう、彩花」
「どうしたの?元気なくない?」
「そ、そんなこと、ないよ」
「そう?」
「彩花は…お兄さんいたよね?」
「うん、3人いる。女は私だけなのよ」
「やっぱりお兄さんたちって…エッチだったりする?…」
「えっ?!…ま、まぁそうね…、何よ突然…?」
「ううん…どうなんだろうってちょっと思っちゃって…」
「あっ;そうなの?…、まあ家の兄たちなんて酷いもんよ;…エッチな本は自分たちの部屋に散乱しているし、朝だってテント張ったままに食卓に現れるし…」
「そうなんだ…」
ちょっと引きつった笑顔を見せる唯。
「まあ、男だからしょうがないんじゃないかなぁ。お母さんも私も今は全然気にしてないよ」
「彩花は、お兄さんたちのこと、好き?」
「うーん、難しいね。好きってわけじゃないけど、頼りになるところはあるし、逆にここは直して、って部分だってある。でもそれはお互い様だよね」