風紀委員Girls! 66
…舞はおばあさんの後ろ姿を見ながら、思いを巡らしていた。
…旬にしてもノブアキにしても、事情持ちなのね。
このトップ2人は話せばわかってくれる…問題はその周りか…
旬のことを思うと、胸の奥が熱くなる。
「(やだ…なんなのこの気持ち…)」
疲れたのか、おばあさんは奥で横になってしまった…
「ごめんなさいね…何だか申し訳なかったね…」
「な、ことね―さ…お前が来てくれて、ばあちゃん凄く喜んでいたよ…」
「それならよかった〜それじゃ失礼するね…」
「へぇ?泊まっていかないのか?…」
「おばあさん横になっちゃったからね…私が来たせいで、余計な力使っちゃったら申し訳ないじゃない。よろしく言っといてね」
「あ、ああ…」
「それと」
「?」
「例のブツの件、ちゃんと月曜日に用意しておくから忘れないでね」
「お、おう…」
旬が少し照れたような声で応じた。
舞は旬の住む古アパートを出て、自分の家に帰ったのだった。
チャイムを鳴らしても、誰も出てくる気配は無かった。
娘がいないのをいいことに、父さんと母さんは飲みにでも行ってしまったのだと思えた…
なんだ…こんなことなら鍵を持ってこればよかった…
舞は途方に暮れる…
「不良娘は、締め出しかぁ〜?」
「やだぁ!何でアンタがいるのよぉ?!…」
後を追いかけていたのか、旬が突っ立っている。
「アンタに不良なんて言われたくないわよ…」
「だから泊まっていけば良いって言ったろ。ばあちゃんも言ってた」
「…迷惑になるだけよ」
…そのとき、舞の身体がふらついた。
「おい、大丈夫か?」
旬が舞の身体を抱きとめた。
「ちょっと、お前、すごい熱だぞ!」
「…大丈夫…疲れた、だけ…」