風紀委員Girls! 65
「そんな顔なさらんでくだいさい…舞さんはやはり、旬みたいな男ではだめですよね…」
「そんなこと…」
「ばあちゃん!…何が言いたいんだよ…」
「私はこの子が不憫でならないんですよ…」
「不憫って、貧乏ってことかよ?!」
「まあそれもあるけど…毎夜毎夜、私に隠れてしこしこやってる姿を見るとね…」
「うぅおおおい!!ばぁぁちゃん!!」
おばあさんの言葉に、顔を真っ赤にして否定する旬。
それとは別に、舞もまた、顔を真っ赤にして俯いていた。
「(…コイツ、こんな環境で、アレをまさか)」
そこで、唯と夏織が見たあのAVのパッケージが浮かぶ。
「おい、お前…」
「何よ。なんでもないわよ」
舞は旬から視線を逸らした。
舞とて男がそれをするぐらい…分かっていた。
どんなに成人君子だって、日本代表のアスリートだって、やらない男などいないのだということも…分かってはいた…
それでもそれは頭で分かっているだけあって、目の前の滝谷旬がそれをヤル姿をどうしても想像出来ないでいた…
旬はいそいそと立ち上がってどこかへ行った。
「本当に、いいんですか?」
「ああ、舞さんは大事なお客さんだ。天気予報じゃ当分雨は降らん言うとったし、安心して泊まっていきなされ」
「ありがとうございます」
おばあさんの優しい顔を見ると、断る気も起きない舞なのだった。
「さあて、晩飯を作るかねえ」
「手伝いましょうか?」
「なに…大したものは作れんのじゃよ…旬相手にしか作っておらんから、味より量の方が大切でな…」
「よかった〜私も小難しい料理よりも、沢山食べられる方がいいですもの〜」
「舞さん…お前さんは本当にいい子だねぇ〜。旬にはもったいないぐらいだよ…」
いえいえ…別に付き合っている訳では無いんですけど…