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風紀委員Girls!
官能リレー小説 - 学園物

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風紀委員Girls! 649

「今日に限っては私はお邪魔だったかな」
「そんなことはないです。こちらには女の友情がありますから」
アリシアは可憐にニッコリと微笑んだ。


ファミレスでしばらく過ごし、アリシアと別れ帰り道についたそのとき。
「可憐さんっ」
「あ…」
黒獅子の制服を着た、端正な顔立ちの少年が可憐の後ろから走り寄ってくる。

吉川晴樹。
可憐を慕う健気な少年とは、彼のことだ。

可憐の頬は自然と緩む…
晴樹の真直ぐに自分へ向けられる好意に戸惑いはしても、その気持ちは決して嫌ではなかった…

「よかったです!会えるといいなって思っていたら、本当に願いが叶いました!」
可憐の側まで来た晴樹は、女の子のようなことを言いながら顔を高揚させた。

肩を並べて歩く。
ホントに誰からも好かれるような性格で、おまけにこの見た目。
晴樹には青海の制服がよく似合っていただろうと思ってしまう。
彼が黒獅子に進んだのもその複雑過ぎた家庭事情によるものなのだ。

「どう?お母さんは元気?」
「はい…可憐さんには母さんもいつもお世話になってるってお礼を言っていて…」

長い睫毛を上下しながら言う晴樹…
ほんと男にしておくには勿体無いほど可愛い顔してる…
可憐は晴樹の話しを他所に、その愛くるしい顔に見蒲れてしまう…

「こうして僕が今学校に行けてるのも可憐さんのお陰だって…何時も言い聞かされているんですよ…」
可憐の母親と晴樹の母親は幼い頃からの親友同士。
晴樹が小学生の頃に両親が離婚し、彼は母親についていくことにした。
しかし母親は元から病弱で経済的にも余裕がない。

そこで会社社長でもある可憐の父親に頼み込んで経済的な支援をしてもらう。
可憐の両親は晴樹を青海に通わせようとしたのだが、それはうまくいかなかった。
こうして現在に至るのである。


可憐はそっと晴樹の手を握った。
晴樹は少し驚いたような顔をしたが、すぐにその手を握り返した。

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