風紀委員Girls! 647
「俺に聞くなよ…」
向こうの席の2人だけじゃなく、ウエートレスのお姉さんまで怪訝な顔してるじゃないかよ。
祐樹はメロンソーダを一口飲んで咳払いする。
「俺たちの話じゃ誠には何の参考にもならないよな」
「いや、そんなことはなかった」
「…まあ、諦めずに地道にやっていけばそのうちうまくいくと思うさ」
「そうだな」
剛がふと窓の外に視線を移す。
こちらに近づいてくる2人組、清美の制服を着た少女。
そのうちの一人が遠目からでもよくわかるブロンド…アリシアだった。
うわぁ…噂の彼女ご本人がご登場かよ;…
それにしてもなんて目立つ美少女なんだろうね…
あれじゃあ誠の恋が実るまでには、相当時間が掛かるんじゃないかぁ?…
「何ニヤついてんだよ剛?…おめぇまでやらしいこと考えてんのかぁ?…」
「いや、そういうことじゃなくてだな…」
剛が言葉に困っている間にアリシアは一緒にいた可憐と共に店の中に入ってきた。
「え…おい」
「噂をすれば…だな」
祐樹と誠も驚き思わず3人で向こう側に注目してしまう。
そんな誠に気づき、アリシアは笑顔を向けた。
「やだぁアリシア、知っる子?…」
「青海の加賀谷誠くん…祖で触れ合うも多生の縁…ってところでしょうかぁ…」
「アリシア;…何言ってるのか分からないよ;…」
「まあ今はお友達って関係ですね。」
「ちょっと待ってよ…“今は…”って言うことは…この先友達以上の関係になることもある訳ぇ?」
「ふふふ、可憐、それは今は内緒ですよ」
「もう、気になるじゃんっ」
可憐がアリシアの背中をポンポン叩くが、アリシアはそれを気にせず誠のほうを見て微笑む。
誠が呆気に取られながらもニヤついた顔を崩さないのは言うまでもない。
「なんだ、心配して損したかな」
「十分うまく行きそうじゃね?」
「誠、お幸せになぁ」