風紀委員Girls! 636
ご両親のことを思い出していたんだろうか?
どんな罪を犯したとしても…唯にとってはいいお父さんだったのかもしれないな…
「乱暴された女性は…女子高生だったということは無いですか?…」
いつの間にかに美咲が部屋に入って来ていた。
「どうしたのよ美咲…薮から棒に…」
「何言ってるのよ舞;…舞は真里菜のお母さんの事件、忘れちゃったの?…」
そうだ…真里菜のお母さんも桜咲在学中に襲われて、って言う話。
真里菜が襲われて、お母さんもそのときのことを思い出したって言ったね…
「で、ちあきさん、本当のところは」
「そうね…美咲ちゃんの言うとおりよ。私も過去の資料でしか知らないけど…」
「でもそのとき襲われたのが真里菜のお母さんだとは限らないんじゃないですか?」
伊織が言う。
それも確かに…
「ちあきさん、唯と、航平さんのお父さん、出身校はどこなんです?」
舞が尋ねる。
「それが彼は黒獅子だったのよ…」
旬の先輩に当たる人な訳だ…
「真里菜のお母さんの事件で捕まった人って…確か数人いた筈だけど…」
思い出したように美咲が言う…
「それならその人たちに話しを聞きたいところよね…、ちあきさん分かります?…」
「それがどうも変なのよ…あの事件に関わった人たちって、皆亡くなっているのよ…」
「…どういうことですか、それ」
「それはわからないわ…当時事件を担当していて、今は定年で退職した方に聞いても、手詰まりで迷宮入りって」
「もう、なんというか、意味がわかりませんね…」
ちあきの話に一同悩みこんでしまう。
「その小川さんもね、事故なのか自殺なのかわからないって言われてね…」
「恨みを持つとしたら真里菜のお母さんだろうけど、とてもそんなことを出来るような人では無いし…」
専業主婦の真里菜のお母さんに、そんなこと出来る訳が無いもんな…
「あの事件を消してしまいたいと考える、何かとてつもない力が動いたってことかしら?…」
「とてつもない力って何よ?…そんなことが出来るのはヤクザか国のお役委員様ぐらいじゃない?…」