風紀委員Girls! 634
「もおぉ…知りたいことって何な訳?…」
伊織が身を乗り出し首を傾げる…
「それゃあ小川航平のことに決まっているじゃない…何たってうちの生徒会長さんが興味を持った男ですもの…」
佳奈は伊織の肩をポンポンと叩きながら言った。
「静香さんが?」
「うん、静香も大変なことに巻き込まれちゃってね、何もなかったからいいんだけど」
「それで小川さんに…」
「ついに静香にも恋の予感がやってきたわけね」
佳奈はニヤリと笑いながら舞たちを見る。
「…まあ、それもあるんだけどね」
椎奈が佳奈をたしなめながら前に出る。
「この前の件からずっと気になっていたんだけど、どうもその小川さんって只者じゃないような気がしてね…」
「舞から聞いたけど、小川航平って青海の高等部にいたんでしょ?…」
「そうみたいね…ご両親が事故に遭われて、大学は別のところに行ったようだけど…」
ん?…確か唯の親も事故に遭って亡くなられたんじゃ…?
椎奈の言葉に、舞は昔聞いたことを思い出す…
「そのご両親の事故って…もしかして不慮の事故?…」
「うーん…よくわからないんだけど、ご両親ともその事故で亡くなったと聞いてる」
「そう…」
「彼…小川航平が青海の高等部にいたときの話だけどね」
舞は気になって考え込む。
「そう、彼には当時まだ幼い妹さんがいたって話なの…」
『!!!』
椎奈の言葉に、舞だけでなく伊織と恵美菜も反応する。
「その妹さんは、今清美の生徒だはよ…」
突然ドアが開き、そこに黒いスーツの女性が立っていた。
「わぁ!ちあきさん…!」
皆は一同に驚く。
「やだぁあ…貴女たちが呼んどいといて、お呼びじゃないって顔しないでよぉ〜」