風紀委員Girls! 628
「お母さんは何って言ってるの?…」
「それゃあ怪しいとは思っているみたい…だけど相手は青山家、警察だって抱き込み兼ねないもの…」
権力者との繋がりは、碧のいる清水家よりも強いってことか…
「それで今は響子さんが国会議員になって、益々手も足も出ない相手になってしまったのよ…」
それは仕方ないことかもしれない。
向こうは国に仕え、国を動かす存在。
それに比べてこちらは単なる一般人。
どう足掻いたって不利なのは目に見えている。
「だから、お母さんはもうそのことは忘れるようにしたの…それが、真里菜のことで思い出されてしまったみたいで」
「なんか、謝らなきゃなぁ…」
「…話は変わるけどね、静香さんも気になる人がいるみたいで…」
「わぁ〜それって誰なのぉ?…」
「小川航平って人なの…静香さんと明日香さんをあの現場から助け出した弁護士さん…」
「わぁ〜弁護士さんだなんて、静香さんとお似合いじゃない…」
「それがそう簡単ではないは…、その人って、雑賀組の顧問弁護士なのよね…」
「えっ…そうなんだ…」
「今回は真里菜も含め助け出してくれたんだから感謝しなくちゃいけないけど、どうにもわからない存在なのよね」
恵里菜はため息をついて考え込む。
「その小川さん、青海のOBだとわかったんだけどね」
「うん…それで?」
「真里菜、堤ちあきさん…知ってる?」
「うん警察のでしょ?…ちあきさんがどうかした?…」
「ちょっと話しが聞きたいなって思っていて…彼女が桜咲の女子高生だった時、小川航平さんも青海にいたみたいなのよ…」
「へぇ〜そうなんだ…、だからといって二人が知り合いとは限らないんじゃない?…」
確かにそうだ…
資料で見た写真に写っていた二人は、たまたま同じフレームに収まったに過ぎない方が有力ではあった…